原紙「菊版」
印刷の現場で大活躍!
原紙「菊判」ってどんな紙?
今回は、日本の出版業界で古くから親しまれてきた「菊判(きくばん)」について、その特徴や使われ方を、わかりやすく解説していきます!
-その他の代表的な原紙-
「菊判」ってどんな原紙?
菊判とは、明治時代に日本に輸入された新聞用紙の寸法がもとになっている、印刷用の原紙のサイズです。当時、新聞用紙を輸入したのがアメリカの新聞社「The Philadelphia Inquirer」で、その社章が菊の花であったことから、「菊判」と呼ばれるようになったと言われています。
一番の特徴は、A判サイズと近い寸法を持ちながら、書籍や雑誌などの出版物で広く使われる仕上がりサイズを効率的に作れるように設計されている点です。
[菊判の基本情報]
- 原紙サイズ:636mm × 939mm
- 由来: 明治時代に輸入された新聞用紙の寸法に由来。輸入元である新聞社の社章が菊の花だったことから名付けられたと言われています。
- 特徴:A判サイズに近い寸法を持ちつつ、出版物の印刷に適した効率的な原紙。印刷や製本に必要な断裁余白(トンボのスペースなど)を確保できるように、仕上がりサイズよりも大きく作られています。
なぜ仕上がりサイズより大きい原紙が必要なの?
ここで疑問に思う方もいるかもしれません。「なぜ、わざわざ仕上がりサイズより大きな紙を使うんだろう?」と。
その理由は、印刷の工程にあります。
印刷物を作る際には、インクのにじみや断裁時のズレを防ぐために、仕上がりサイズよりも少し大きく印刷し、その後、「トンボ」と呼ばれる目印に合わせて正確に断裁します。この余白(塗り足しや裁ち落とし)やトンボのスペースを確保するために、菊判のように仕上がりサイズより大きな原紙が必要になるのです。
菊判から効率よく仕上がりサイズを面付け!
菊判(636mm × 939mm)の原紙から、どのように様々なサイズの印刷物が取れるのかを見てみましょう。
いくつかの仕上がりサイズを組み合わせて、原紙に無駄なく配置することを**「面付け(めんつけ)」**と呼びます。
例えば、以下のように、A列本判から以下のように効率よくA判サイズの用紙を複数枚取ることができます。
※「菊判」という場合、原紙のサイズ(636×939mm)と、それを断裁して作られる仕上がりサイズ(例:150×220mm)の両方を指し示します。仕上がりの㎜数でご確認ください。
– 印刷物制作の裏側を支える「菊判」-
普段、何気なく手にしている書籍や雑誌も、実は「菊判」などの大きな原紙から作られていることがお分かりいただけたでしょうか?
印刷会社では、この原紙をいかに効率よく使い、お客様の求める品質とコストで印刷物をお届けできるかを日々追求しています。
「こんな印刷物を作りたいけど、最適なサイズや紙の選び方がわからない…」 そんな時は、ぜひお気軽に印刷のプロにご相談ください!お客様にとって最適な印刷物のご提案をさせていただきます!
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